本キットは RealTime PCR 法に基づいています。本キットでは、HLA-B27対立遺伝子検出用および内部コントロール検出用のプライマーと標識プローブ(FAMおよびHEX)が使用されています。
はじめに
Human Leukocyte Antigen (HLA) B27 (subtypes B*2701-2759) は、6番染色体短腕の主要組織適合性複合体 (MHC) のB遺伝子座にコードされるHLAクラスI表面抗原である。HLA-B27抗原には強直性脊椎炎(AS)および脊椎関節症(SpA)との強い関連が見出された。さらに、Reiter症候群やぶどう膜炎などの他の疾患においても、この抗原の発現率の増加が認められた。しかし、HLA-B27抗原の有病率やASとの関連性の強さは様々である。例えば、HLA-B27抗原の有病率は、白人では約8%、北アフリカ人では4%、中国人では2〜9%、日本人では0.1〜0.5%である。さらに、北ヨーロッパ人のHLA-B27保有率は一般人口の8%に過ぎないが、AS患者の90%以上がこの遺伝子を持っている。一方、アフリカ系アメリカ人では、一般集団の2%から4%、AS患者の50%から60%しかこの遺伝子を持っていない。
このことから、HLA-B27検査は無症候性集団のスクリーニングに使用することはできず、ASを検出することはできない。また、HLA-B27抗原の存在は、AS疾患の臨床症状に影響を及ぼす、
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