CKX53は高精細な観察画像と、快適な操作性を両立することで、培養室内での生細胞の準備にかかわるプロセスの効率を大きく向上します。生細胞の活性度確認、サンプリング、蛍光染色や蛍光タンパクの発現確認、画像記録といった多彩なシーンで高いパフォーマンスを発揮します。
iPCシステムによって迅速で効率的な細胞観察が可能
新規に採用されたiPCシステム(integrated Phase Contrastsystem)では、同一のリングスリットで4Xから40Xまでの位相差観察に対応し、対物の切り替えの際にリングスリットを変更する必要がありません。また、従来の光学性能を維持したまま高コントラストで鮮明な観察ができます
2X対物レンズを使用することで広範囲をクリアに観察可能
2X対物レンズ(PLN2X)に対応する開口リング(CKX-SLPAS)によって、透明な培養細胞を直径11mm、視野数22の広い範囲でコントラストよく観察することができます。細胞スクリーニングなどの作業を効率的に行えます。
新技術「インバージョンコントラスト」(IVC)
IVC観察は、培養細胞のような透明なサンプルを立体的にコントラストをつけて観察するオリンパスの新技術です。位相差観察のようなハローや、DIC観察のような方向性に依存する陰影の影響を受けずに観察することができるため、対象物表面の微細構造を正確に把握できます。
*IVC観察専用リングスリット(CKX3-SLPIC)とリングスリットに対応する10X対物レンズを2種類(PLCN10X、CACHN10XIPC)ラインアップしています。
クリーンベンチでのスムーズな細胞観察
CKX53はクリーンベンチ内でもコンパクトに設置でき、フード内の無菌条件下での細胞観察、操作が可能です。また、CKX53はフレーム表面がUV耐性になっているためUV滅菌中もクリーンベンチ内に静置できます。従来のCKXモデルからの小型化・軽量化によって簡便に持ち運びができ、光路切り替えノブの下付近を持って、フレーム底部のパット部位を机上でスライドさせれば、片手で簡単に移動させることができます。
クリーンベンチでのスムーズな細胞サンプリング
対物レンズの光軸や焦準ハンドルと、アイポイント位置との距離を従来のモデルから縮めたことにより、より自然な状態で観察と細胞操作が可能になりました。さらに、フードの位置をステージ面まで下げて観察が可能なため、コンタミネーションの影響を少なくします。
操作性を重視したエルゴノミックデザイン
ステージに対して45°の角度で観察ができることに加え、双眼部はバタフライタイプの機構を採用することで立位でも、座位でも自然な姿勢で細胞観察を行えます。また、電源スイッチを鏡筒直下のフロントパネルに配置し、調光ダイヤルなどのほかの操作部も近くに配置することで優れた作業性を実現しました。
各種細胞培養容器での操作が容易
ユニバーサルホルダーを用いると、培養ディッシュ、培養フラスコなど、さまざまな大きさの培養容器を用いた細胞観察をスムーズに行えます。また35ペトリディッシュマルチホルダーを装着した場合、35mm培養ディッシュを一度に3個まで乗せてマニュアルステージで操作・観察することができます。