混合物の成分分析手法には様々な方法がありますが、前処理なく簡便に成分評価可能な分析手法を提供できます。HPLCのような高精度な分析は困難ですが、含有成分を容易にカテゴライズすることが可能です。各成分の濃度既知の試料があれば定量化も可能です。
<成分分析活用範囲>
・医薬品
・細胞培養培地
・飲料・食品
・環境水
・上下水道水 など
これらの多成分解析は、通常の蛍光分光装置に下記のような性能を追加することにより実現できました。
吸光度を補正した真の蛍光スペクトル測定
通常蛍光スペクトルは試料自体の光の吸収分の影響を受けています。その影響分を自動的に差し引き、真の蛍光スペクトルを得ることができます。
多くのデータを短時間で取得する高速蛍光スペクトル測定
成分分離には多変量解析を活用するため、多くのデータが必要となります。本装置はライン検出器を用いることにより、短時間で蛍光スペクトルを取得可能です。
多変量解析ソフト向けの自動データ変換
励起光波長と発光波長を変化させて得られる励起・蛍光マトリックス(Excitation-Emission Matrix:EEM)のデータを多変量解析ソフトで解析できるデータ型式に自動的に変換します。
長波長側からの励起波長掃引
有機物の場合、紫外光により分解されるものもあり、励起波長を長波長側から掃引することにより、試料のダメージを最低限に抑えます。
高次光補正
蛍光指紋データには励起光の波長の二次光などが現れ多変量解析に影響を及ぼす可能性があるので、この高次光を補正する機能を有しています。