池上通信機とNHK財団が共同開発した医療用8Kスーパーハイビジョンカメラ「MKC-820NP」が、テレメンタリングを用いた手術の臨床試験で使用され、腹腔鏡手術システムから高精細な映像を伝送した。
この試験は、国立がん研究センター中央病院がNHK財団の協力を得て実施したもの。8Kスーパーハイビジョン技術を用いた腹腔鏡手術システムでリアルタイムに画像を送受信し、テレメンタリングを行うことが臨床的に有用かどうかを確認することが目的。この臨床試験は、大腸がん検診としては世界初の試みとなる。
臨床試験で使用されるカメラ「MKC-820NP」は、池上通信機が長年放送事業で培ってきた8Kスーパーハイビジョン技術と、医療用画像処理技術を融合させたもの。また、NHK財団が培ってきた8K医療用カメラの開発経験や知見、臨床経験も融合している。今回使用したMKC-820NPは第2世代モデルで、体積は従来モデルの7分の1以下、質量は3分の1以下となっている。また、市販のスコープホルダーとの互換性を持たせた。
池上通信機では、今回の臨床試験で得られた結果を踏まえ、今後も手術分野に特化した改良を含め、カメラシステム「MKC-820NP」の改良を進めていく。
このような進化は、イメージング分野の技術開発を通じて、社会に貢献する製品・システムの創造を目指す当社の姿勢の一環である。
---