CRYO ARM™ 300 II は、タンパク質に代表される電子線照射に弱い試料の観察に特化した、クライオ電子顕微鏡です。単粒子構造解析やトモグラフィー、電子線結晶構造解析などの各手法に対応しています。
CRYO ARM™ 300 II は、顕微鏡の安定性とスループットの更なる向上だけでなく、操作性もよりシンプルになっています。また、サンプルのスクリーニングから画像データ取得までを一体化した顕微鏡です。そしてユーザーに合わせた運用を可能にする高い自由度を持っています。顕微鏡に不慣れな方であっても、簡単な操作で質の高い顕微鏡写真を得られる次世代のクライオ電子顕微鏡です。
短時間でのデータ取得
精密なステージ移動を伴う多点撮影には時間が掛かります。そこでJEM-3300 CRYO ARM™ 300 II はビームシフトによる多点撮影を可能にしました。このCRYO ARM™ 300 II の制御されたビームシフトは、極めてコマ収差が小さく、試料の分析結果に影響を与えません。このビームシフト機能により、質を落とすこと無く従来より短時間で多点の画像データ取得を行えます。
干渉縞の無いビーム照射
CRYO ARM™ 300 II には、標準的なビーム照射モードの他にケーラー照射モードを搭載しています。このケーラー照射では干渉縞が現れないので、照射範囲を検出器のサイズまで小さくできます。この照射系を用いることで、撮影時に試料がダメージを受けるエリアを減らし、より多くの画像データ取得ができます。
柔軟な操作性
-ユーザーの状況に合わせた使い方ができるシステム-
精度の高いステージ駆動
CRYO ARM™ 300 II は、卓越したステージの位置再現性を持っています。
試料交換時に、意図しない試料の回転や位置ずれは生じません。鏡筒とストレージの間を行き来させても、「グローバルマップ」と呼ぶ試料全景の画像をそのまま適用することができます。
再度試料を撮影すること無く、スクリーニング時の画像を使って撮影の設定をすることで、試料のダメージを最低限に留めて画像データを得ることができます。
JADAS 4
CRYO ARM™ 300 II に搭載されている新しいバージョンの「JADAS※」ソフトウェアにより、初心者ユーザーでも簡単な操作で画像データを取得できます。JADASは対話形式で取得パラメーターを選ぶソフトウェアで、ユーザーが質問に答えると、自動で画像データの取得が始まります。
アイスコンタミネーションの無い試料保管と取り出し
CRYO ARM™ 300 II では、試料を霜の付かないクリーンな状態で数週間の保管ができます。
また試料は、液体窒素温度の窒素ガス雰囲気下で、搬送マガジンにより1個から交換や取り出しができます。
高い安定性
-いつでも良好な画像を得られるシステム-
新型冷陰極電界放出形電子銃 (New CFEG)
CRYO ARM™ 300 II は、新型の冷陰極電界放出形電子銃(CFEG)を搭載しています。この新型電子銃は、エネルギー幅が小さく、より安定したプローブ電流の電子ビームを作り出すことができます。したがって、ユーザーはいつでも高品質の画像を得ることができます。
新型オメガフィルター
CRYO ARM™ 300 II は、改良されたインカラム形オメガフィルターを搭載しています。この新型オメガフィルターには自動調整機能があり、常に高い安定性で最良の性能を発揮します。