JSM-IT800は、高分解能観察を実現するための "インレンズショットキーPlus電界放出形電子銃" と次世代型電子光学制御システム "Neo Engine"、高速度元素マッピングを実現するために使いやすさを追求したGUI "SEM Center" に自社製EDSを組込んだシステムを共通のプラットフォームとしています。
SEMの対物レンズをモジュールとして置き換えることで、お客様の様々なニーズに応じた装置を提供します。
JSM-IT800には、対物レンズの違いにより、汎用FE-SEMであるハイブリッドレンズバージョン (HL)、より高分解能観察や分析を可能にするスーパーハイブリッドレンズバージョン (SHL/SHLs、機能の違いにより2バージョン)、半導体試料観察を得意とするセミインレンズバージョン (i/is 、機能の違いにより2バージョン) と5つのバージョンをラインナップしました。
さらに、JSM-IT800には、新しい反射電子検出器であるシンチレーター反射電子検出器 (SBED) と多目的反射電子検出器 (VBED) が搭載可能です。SBEDでは応答性の良い、低加速電圧での材料コントラスト像の取得ができます。VBEDでは、3D、凹凸、材料コントラスト像の取得が出来るため、今まで得られなかった情報の取得やお困りの測定への改善が期待できます。
特長
インレンズショットキーPlus 電界放出電子銃(FEG)
電子銃と低収差コンデンサーレンズの融合により高輝度化を実現しました。低加速電圧でも十分な照射電流が得られ(100nA@5kV)、対物レンズの切り替えなしで高分解能観察から高速元素マッピング、EBSD分析や軟X線分析まで行えます。
JEOLの電子光学技術の粋を集めた次世代型電子光学制御システムを搭載しました。
条件変更時でも安定した観察が可能です。また、オート機能等の使い勝手の大幅な向上も実現しました。
操作GUI「SEM Center」とEDS分析をフルインテグレーションし、次世代の操作性を実現しました。さらに、初心者にSEM操作方法をアシストするスマイルナビ(オプション)や、ライブ像をみやすくするLIVE-AI(人工知能)フィルター(Live Image Visual Enhancer-AI:LIVE-AI)(オプション)も搭載しました。
取得データを一元管理できるSMILE VIEW™ Labにより、観察から分析まで全データのレポートを素早く簡単に作成できます。
スマイルナビ
装置を使用するのがはじめての方や使用に対して不安がある方でも、基本操作が問題なくできるよう設計されたアシストツールです。
説明に従いスマイルナビ内のアイコンをクリックするとSEMの操作画面が連動します。必要な操作手順やボタンの配置をSEMの操作画面に対して示してくれるため、将来的にスマイルナビなしでの操作の習得が期待できます。
ライブ像をみやすくする新開発のLIVE-AI (人工知能)フィルターを搭載しました。 積算処理と異なり残像がなく追従性の良いライブ像を表示できるため、視野探しやフォーカス、非点の調整に非常に有効なフィルターです。
HLバージョンとSHLバージョン (SHLsバージョン含む) は、汎用性の高いアウトレンズから発展した電磁場重畳型対物レンズを搭載しています。
鉄鋼材料からナノ材料までさまざまな試料の高分解能観察や分析が可能です。特に磁性材料の観察やEBSD測定などの分析において大変有効です。
iバージョンとisバージョンはセミインレンズを搭載しています。半導体デバイスの不良解析で必要な傾斜した試料や断面試料の高分解能観察や分析が得意です。
さらに、上方インレンズ検出器 (UID) による電位コントラスト観察において威力を発揮します。