生体試料から抽出したインフルエンザウイルス(Flu AおよびFlu B)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV AおよびRSV B)、SARSCoV-2(E遺伝子およびRdRP遺伝子)のRNAをin vitroで同時に検出・鑑別する。
1 使用目的
respiraScreen 1 リアルタイム RT-PCR キットは、3 つの異なる呼吸器ウイルスのグループを同時に検出するためのスクリーニングアッセイです。生物学的検体から抽出されたインフルエンザウイルス(Flu A、Flu B)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV A、RSV B)とパンデミックコロナウイルス SARS-CoV-2(E 遺伝子、RdRP 遺伝子)の鑑別が可能です。
2 病原体情報
インフルエンザウイルスはオルソミクソウイルス科に属し、「インフルエンザ」の原因ウイルスである。インフルエンザAおよびBウイルスは、8つのRNAセグメントからなる一本鎖RNAゲノムを持つ。インフルエンザA型ウイルスのゲノムは変異頻度が高く、いわゆる「抗原ドリフト」が特徴である。A型インフルエンザウイルスには多数の亜型が知られている。それらは表面抗原H(ヘマグルチニン)とN(ノイラミニダーゼ)によって分類することができる:インフルエンザA(H1N1)ウイルス、インフルエンザA(H5N1)ウイルスなどである。そのため、プライマーやプローブのミスマッチによる偽陰性を防ぐために、新しく出現した亜型の配列のインシリコ解析が毎年行われている。インフルエンザB型ウイルスは、A型に比べて2~3倍遅い突然変異率を示す。
呼吸器合胞体ウイルスは、ニューモウイルス科オルソニューモウイルス属のエンベロープ型ネガティブセンス一本鎖RNAウイルスである。RSVは肺や気道の感染症を引き起こすウイルスで、サブグループAとBに分けられる。
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