diarellaBabesia real-time PCRは、臨床検体やマダニから抽出したBabesia divergens、Babesia microti、Babesia sp. EU1(Babesia venatorum)のDNAを検出するためのアッセイです。
2 病原体情報
バベシア症は、ピロプラズマ原虫の一種であるバベシア属の感染によって引き起こされるマラリア様寄生虫症である。
寄生虫はdermacentor reticulatusのようなマダニによって媒介される。潜伏期間は種類によって異なり、7~20日である。赤血球が破裂すると貧血を起こす。感染しても症状が出なかったり、軽い発熱や下痢にとどまることもある。しかし、重症の場合は悪寒を伴う高熱が出ることもある。
ヨーロッパでは主にB. divergensとB. sp. EU1による感染症が、アメリカではB. microti(東海岸と中西部)とB. duncani(北西海岸)がヒトバベシア症の原因菌である。
3 検査の原理
diarellaBabesiaは、臨床検体やマダニから抽出したバベシア症DNAを増幅・検出するための特異的プライマーと二重標識プローブを含む。
核酸の存在は、増幅中のプローブの加水分解による蛍光の増加によって検出される。病原体特異的プローブの蛍光はFAMチャンネルで測定される。
さらに、diarellaBabesiaにはControl DNAが含まれており、DNA抽出の際に添加され、同じ反応で異なる標識プローブにより検出される。コントロールDNAはPCR阻害の検出を可能にし、核酸が臨床検体から単離されたことを示すコントロールとして機能する。
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