SURFE²R (SURFace Electrogenic Event Reader:サーファー) テクノロジーは、従来のパッチクランプ法に比べて起電性トランスポーター(シンポーター、エクスチェンジャー、ユニポーター)、ポンプの測定用に最適化されています。
通常これらの膜輸送体は、イオンチャネルに比べて輸送率が低くなるため測定が困難です。SURFE²R テクノロジーはそれを補うため、最大109個に及ぶトランスポーターを同時に測定可能できる大きなセンサーサイズを採用し、最高のS/N比を実現しました。
SURFE²R N1 は基礎研究、アカデミック向けにデザインされています。より高いスループットが必要な場合は、SURFE²R 96SE による96ch センサーの完全同時測定も可能です。
• 蛍光プローブや放射標識リガンドを用いず測定可能
• 最大 52 種類の溶液による自動測定
• 150 データポイント / 日
• 分注機、測定部、コンピュータを統合したオールインワンデバイス
• 光刺激可能(オプション)
• 教育ツールとしても最適な簡単操作
SSM法による電気生理学測定の特徴
• 100以上のターゲットがバリデート済み, SSM-電気生理学を使用した100以上の査読付き論文
• トランスポーター、ポンプ、リガンド依存性チャネル
• 非起電性トランスポーターや糖類の活性評価にも適用可能
• 精製したトランスポーター、細胞から調製したベシクル、プロテオリポソームなど
• ラベルフリーの電気生理学的測定法
• 0.1 – 1 µg / センサーの少サンプル量で100実験まで実施可能
• 高分解能のリアルタイムデータ(シングルポイントの検出ではありません)
• パッチクランプ法より高いシグナル増幅率
• 律速な結合キネティクスの評価
• EC50、IC50、速度定数、トランスポーター遺伝子多型の比較など
当測定技術では、1990年後半に確立した Solid-Supported Membrane- (SSM法) に基づく電気生理学的測定手法を採用しています。SSM-電気生理学測定法の詳細は Technology section に示しています。試料調製の手順は、まず再利用可能な金コートされたセンサー上に簡単なピペッティング操作でSSMを形成させます。その後、トランスポーターを含む試料をセンサー上に加えてSSMに物理的に吸着させます。細胞破砕後の膜ベシクルや精製タンパクを再構成させたプロテオリポソームなど、測定対象となるタンパクを含むあらゆる膜調製が使用可能です。また、これらの試料は長期間の凍結保存が可能であるため、細胞培養も必要ありません。
SSM-電気生理学では溶液交換で基質またはリガンド添加によりトランスポーターを活性化し、発生した電荷の転移を検出、解析可能とします。SSMの高い安定性により、同一試料で100回にも及ぶ連続測定が可能になり、EC50 や IC50.等のパラメーター決定を容易に行うことができます。また、最高水準の溶液交換の時間分解能により、結合反応の遅いトランスポーターから速いトランスポーター測定まで適用でき、速度定数を決定することができます。
装置の取り扱いは極めて簡便で、1日で操作を習得できます。また、全自動のロボット測定により研究者の負担は大幅に削減されます。筐体には実験で必要となる分注機、測定部からコンピューターまで、すべて統合されています。