Glial Fibrillary Acidic Protein (GFAP)は、SDS-PAGEで〜50kDaのタンパク質として検出される主要な中枢神経系タンパク質であり、通常、単一遺伝子からの転写産物あるいはin vivoでのタンパク質分解断片であるやや低分子量のバンドと関連している。GFAPは中枢神経系ではアストロサイトと他のグリア、末梢神経節ではサテライト細胞、末梢神経では非骨髄化シュワン細胞に強く特異的に発現し、神経幹細胞のマーカーとしても有用である。アストロサイトは多くの損傷や疾患状態に反応し、「アストログリオーシス」または「グリア反応」の存在をもたらす。GFAP抗体は、この反応の一部を形成する反応性アストロサイトの研究に広く用いられている。これらの細胞は正常アストロサイトよりもGFAP抗体ではるかに強く染色されるからである。GFAPはまた、中枢神経系の損傷後の神経線維再生の障壁の一部を形成しているらしい、アストロサイトが豊富な構造、いわゆるグリア性瘢痕の主要な構成要素を形成している。神経幹細胞はしばしばGFAPを強く発現するが、神経細胞やオリゴデンドロサイトに成長すると、その多くはGFAPを失う。最後に、アレキサンダー病はGFAP遺伝子のタンパク質コード領域の点突然変異によって引き起こされることが最近明らかになった。ローゼンタール線維はアストロサイトに見られるGFAPを含む細胞質封入体である。
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