がんの3大療法の1つである放射線治療は体にやさしい治療法として普及が拡がっています。陽子線治療は放射線治療の一種であり、陽子線の優れた物理的線量特性を生かして、正常組織への放射線量を低減しつつ、標的がん組織に十分な線量を投与することが可能です。このため、他の治療法では困難な疾患の治療、他の治療法よりも効果が優れる治療、そして、他の治療法よりもQOL (Quality of Life) が優れる治療など、様々な対象疾患への適用が進んでおり、国内外で脚光を浴びています。
特長
1信頼の医療用加速器技術
1970年代初頭よりの長きに渡る加速器技術を生かして陽子線治療用サイクロトロンを開発し、1997年に国立がんセンター東病院(現国立がん研究センター東病院)に陽子線治療システム初号機を納入しました。1998年には国内初(世界で2番目)の病院設置型陽子線治療施設として稼動を開始し、現在まで安定した稼動を続けています。
2陽子線治療システムの構成
加速器(サイクロトロン)、エネルギー選択装置、ビーム輸送装置、回転ガントリ照射装置(ガントリ、照射ノズル、患者位置決め装置)などから構成されます。(本システムは厚生労働省より医療機器承認を受けております)
3コンパクトかつフレキシブルな配置レイアウト
サイクロトロンと小型化されたガントリを上下に配置することにより、必要建屋スペースを大幅に縮小し、敷地の制約が大きい場所においても設置計画を進めることが可能です。(上下配置式の場合)
4高線量率・連続ビームを発生するサイクロトロン
この特性により、呼吸移動性臓器(肺、肝臓など)への照射時間短縮に伴う患者負担軽減、高精度スキャニング法への適応に寄与します。