クレアチンキナーゼ(ATP: Creatine N-phosphotransferase, EC2.7.3.2)は、M(筋肉)とB(脳)の2種類の単量体サブユニットで構成される二量体酵素である。このサブユニットが結合して、CK-BB(CK-1)、CK-MB(CK-2)、CK-MM(CK-3)という3種類のCKアイソザイムが形成される。CK-MMは骨格筋で優勢なCKの形態である。CK-BBは脳と平滑筋に存在する。CK-MBは心筋に高濃度で存在し(14〜42%)、骨格筋にはそれほど多く存在しない。疾患がなければ、血清中のCK活性の大部分はCK-MMアイソフォームによるものである。
急性心筋梗塞(AMI)で起こるような心筋の損傷は、CK-MBアイソフォームの循環血中濃度を上昇させる。通常、CK-MB値は胸痛発症後4〜6時間で上昇し、12〜24時間でピークに達し、48時間以内にベースラインまで戻る。AMIが疑われる場合には、通常、入院時、6時間後、12時間後、24時間後にCK-MBを測定することが推奨される。総CK活性が190 U/l以上、CK-MB活性が24 U/l以上(+37℃)、CK-MB活性分率が全体の6%を超えると、心筋障害の可能性が非常に高くなります。
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